EU輸出包装 4類コンプライアンス要件:REACH/EC 1935/2004/94/62/EC/EN 13427——印刷工場が最も陥る REACH SVHC 閾値
💡 💡 一言で理解
EU輸出包装 4類法規の中核解説:REACH SVHC + EC 1935/2004 食品接触 + 94/62/EC 包装指令 + EN 13427 リサイクル評価、印刷工場が最も陥るのは SVHC 0.1% 届出と重金属 100ppm の二重超過。
2026年5月、ドイツの有機食品包装を手掛けるクライアントから相談を受けた。原文はこうだ:
「職人さん、うちの包装をドイツの有機スーパーに並べたいんだけど、印刷工場が REACH 適合宣言書と EC 1935/2004 食品接触試験報告書と包装指令適合宣言を提供してくれる必要がある。前に頼んでた印刷工場は REACH 報告書をくれたけど、SVHC 届出宣言を出さなかったから、ドイツのクライアントに突き返された。」
一見すると専門的に聞こえる——クライアントは3つの書類を要求、印刷工場は1つだけ提供。しかしサンプルを開けてみると、インクは国産一般オフセットインクで SVHC スクリーニングを行っていなかった。この印刷工場はやりたくなかったのではなく、測り方も閾値も知らなかったのだ。
EU輸出包装で本当に難しいのは印刷ではなく、4類法規の同時適用だ:REACH 化学品制限、EC 1935/2004 食品接触、94/62/EC 包装・包装廃棄物、EN 13427 リサイクル評価——いずれかが非適合なら、EU 税関での貨物の差止めやスーパーからの撤去は時間の問題で、印刷工場も連帯して罰せられる。
第一類:REACH SVHC 届出——印刷工場が最も陥る3つの実例
REACH は EU 化学品登録・評価・認可・制限法規であり、印刷工場が最も多く踏むのは SVHC(高懸念物質)届出だ。印刷工場が REACH で失敗するのは、通常3類の問題:
事例1.インク SVHC が 0.1% 閾値超過。ある印刷工場がドイツ向けに食品包装袋を作ったが、インクは国産一般オフセットインクで、フタル酸エステル DEHP(REACH SVHC リスト物質)を含有、含有量 0.15%(0.1% 届出閾値超え)。ドイツ税関の抜き打ち検査で違規と判定され、ロット全数が返送された。
事例2.プラスチック包装の SVHC スクリーニング未実施。ある印刷工場が EU 向けプラスチック食品容器を作ったが、国産 ABS プラスチックを使用、ABS にはビスフェノール A(2017年に SVHC リスト入り)が含まれる可能性あり。印刷工場は SVHC スクリーニングを行わず、「REACH 適合」と直報告書を出し、ドイツクライアント審査で発覚。
事例3.SDS 安全データシートの不備。REACH は供給者に対して SDS(Safety Data Sheet)安全データシートの提供を要求。ある印刷工場は製品 MSDS のみ提供し SDS を出さなかった。ドイツクライアント審査で SDS 欠落が発覚、印刷工場は不適合と判定された。
第二類:EC 1935/2004 食品接触——印刷工場が最も多く誤る4類材料対応
EC 1935/2004 は EU 食品接触材料法規で、印刷工場がここで踏み抜くのは主に4類材料対応の誤り:
1. プラスチック移行量試験条件が異なる。EC 1935/2004 のプラスチック移行量試験要求は EU 10/2011(GB 4806.7 と類似するが差異あり)。ある印刷工場が GB 4806.7 の報告書を EU 10/2011 に流用し、ドイツクライアントから報告書無効と判定された。
2. 紙類は BfR 推奨に準拠する必要。EU 紙類食品接触材料は BfR(ドイツ連邦リスク評価研究所)推奨 XXXVI に基づく。ある印刷工場が米国 FDA 基準で報告書を作成し、ドイツクライアントから不適合と判定された。
3. 金属は EU 1935/2004 + 特定金属ガイド準拠。EU には金属包装専用のガイドがある。ある印刷工場がイタリア向けにオリーブオイル缶を作ったが、金属特定移行試験を実施せず、不適合と判定された。
4. インク移行量は Swiss Ordinance に準拠。スイスは食品接触インクについてより厳格な Swiss Ordinance リストを有する。ある印刷工場がスイスクライアント向け包装でこの点を見落とし、不適合と判定された。
第三類:94/62/EC 包装・包装廃棄物——印刷工場が検査提出前に最も確認すべき3項目
94/62/EC は EU 包装・包装廃棄物指令で、核心は重金属総量制限 + リサイクル表示。印刷工場が最も陥るのは3類:
1. カドミウム・鉛・水銀・六価クロム総量が 100ppm 超え。94/62/EC は包装材料中のカドミウム、鉛、水銀、六価クロムの4種重金属総量 100ppm 以下を明確に要求。ある印刷工場が国産インク(顔料に鉛クロムイエロー含有)を使用し、インクが包装に移行、鉛クロム合計が 200ppm を超え、ドイツ税関の抜き打ち検査で違規と判定された。
2. リサイクル表示の欠落または誤印刷。94/62/EC は EN 17130 リサイクル表示標準を伴う。ある印刷工場が EU 向けプラスチック包装を作ったが、三角矢印リサイクル記号のみ印刷し数字(1-7 はプラスチック種別を示す)を印刷せず、不適合と判定された。
3. 「グリーンドット」表示は印刷不可。「Green Dot」(緑の点)はドイツ DSD システムの有料マークで、印刷工場が料金を支払っていない場合は印刷できない。ある印刷工場が国内デザイン原稿でドイツデザイン原稿のグリーンドットマークをそのまま複製し、ドイツクライアントに発見され違規と判定された。
第四類:EN 13427 リサイクル評価——印刷工場がエコ案件を受ける時に初めて必要
EN 13427 は EU 包装リサイクル性評価標準で、主に EU クライアントのブランド側が自己評価し、印刷工場は受注時に材料成分宣言と試験報告書を提供すればよい。印刷工場が最も陥るのは3類:
1. 複合包装のリサイクル性宣言。ある印刷工場が紙プラ複合包装(牛乳パックのような)を作ったところ、EU クライアントからリサイクル性評価を要求。印刷工場は「リサイクル可能」と宣言したが、EU 評価ではこの紙プラ複合構造はドイツの紙袋リサイクルシステムで特別な分離が必要と判明、ブランド側が印刷工場の宣言を「評価後にリサイクル可能と宣言すべき」に修正せざるを得なかった。
2. 生分解性包装の EN 13432 報告書。EN 13427 はリサイクル評価、EN 13432 は工業コンポスト認証で、両者は異なる。ある印刷工場が PLA 弁当容器を輸出した際、「EN 13427 適合」と称したが実際に提供したのは EN 13432 報告書で、報告書種別誤りと判定された。
3. 再使用包装の検査。EN 13427 は再使用包装の耐久性評価も含む。ある印刷工場が EU 向け循環箱を作り、「50回再使用可能」と称したが耐久性試験を実施せず、ブランド側に広告文言を修正された。
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よくある質問
REACH SVHC 閾値 0.1% は何を基準に計算されるのか?
REACH SVHC 閾値 0.1%(w/w)は「均質材料」ごとに計算され、包装全体ではない。例えば包装がインク層・プラスチック層・紙基層の3層構造の場合、インク層の SVHC 含有量を単独で算出し、0.1% を超えなければ届出不要。インク層の DEHP が 0.15% なら、包装全体の DEHP 平均含有量が 0.05% でもインク層は届出必須。
印刷工場が EC 1935/2004 試験を依頼する際、クライアントから何の情報を集めるべきか?
印刷工場はクライアントから3類の情報が必要:1)食品タイプ(油脂類/水基類/乾燥類/酸性類)で疑似液を決定、2)接触温度と時間(常温短時間/高温短時間/高温長時間)で試験条件を決定、3)接触比率(単位質量食品が接触する包装面積)で移行量計算を決定。この3項目のいずれかが欠けると、ラボは正確な試験方案を提示できない。
94/62/EC 重金属総量 100ppm はどのように測定されるのか?
94/62/EC 重金属総量 100ppm は酸浸出法で測定される——包装材料を 0.07mol/L 塩酸に24時間浸漬し、極端な接触条件(酸性飲料など)をシミュレート。その後カドミウム・鉛・水銀・六価クロム4種重金属の含有量を測定。ある印刷工場が ICP-MS で全量測定したが酸浸出を行わず、試験方法誤りと判定された。
クライアントから「前のサプライヤーも同じ報告書を1部作った」と言われたが、新しい印刷工場はそのまま流用できるか?
流用不可。報告書の5要素を確認すること:1)製品名称が一致するか、2)配合/インクが同じか、3)報告書日付が1年以内か(REACH SVHC リストは年2回更新)、4)試験機関が EU 認定リスト(NB 番号)に登録されているか、5)適合宣言書(Compliance Letter)が含まれているか。この5項目のいずれかが欠けると、EU クライアント審査で印刷工場不適合と判定される。
印刷工場が EU 案件受注時、見積書に試験費を別項目として記載すべきか?
別項目計上を推奨。EU 包装試験費は「法規×材料」組み合わせで見積もられる:REACH SVHC スクリーニング 5000〜15000元/材料、EC 1935/2004 移行量 10000〜30000元/材料、94/62/EC 重金属総量 3000〜8000元/材料。1つの包装で3類法規が関連する場合、総検査費は2〜5万元。印刷工場の見積書に記載がなければ、クライアントは受領後にこれだけの追加費用を知り、購買担当が社長に怒られる。
